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“三味線”と聞いて何を思い浮かべるだろうか。日本の伝統楽器、芸者、弾くのは難しそう……。そんなステレオタイプをすべて覆す、新しい三味線が登場した。斬新なデザインに「これが三味線?」とびっくりする人も多いだろう。「三絃司 きくおか」が手がけた「小じゃみチントン」、誕生したきっかけなどを生みの親である河野公昭さんに聞いた。

初心者も手にとりやすい
小型でリーズナブルな三味線

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35年前にサラリーマンをやめ、三味線職人の道に入った河野さん。現在では葛飾区の伝統工芸士、東京都優秀技能者(東京マイスター)として、三味線作りだけでなく、三味線初心者のための講習会や地元の小学校で三味線教室を開催するなど、三味線を次の世代に伝えるための活動にも余念がない。そこには河野さんの強い思いがあった。

「現在の邦楽業界は低迷状態であり、日本古来の伝統楽器の消滅にもなりかねない状況です。この状況をなんとか変えていかなくてはと、三味線の普及のために考案したのが『小じゃみチントン』です。」

“チントン”は三味線を鳴らす音を表現する擬音語、“小じゃみ”は小さい三味線のことだ。その名の通り「小じゃみチントン」は従来の三味線の約3分の2のサイズ。従来の三味線が貴重な木材や皮を使用するため価格も高価なのに対し、材料に国産ひのきと大量生産可能な合成紙を使用し、伝統楽器ならではの細部の装飾もシンプル化、安価な価格設定を実現した。小さいので初心者でも扱いが容易で、お土産やインテリアコレクションとして楽しめる利点もある。

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実は選挙の投票用紙!

動物の皮の代わりに使われているのは合成紙「ユポ紙(R)」。耐久性に優れ破れにくく、濡れても字が書けるほどだそう。身近なところでは選挙の投票用紙に使われている。印刷した際の発色の鮮やかさにも定評があり、今回も様々な美しいデザインを実現した。

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木材はひのきの間伐材を使用

従来の三味線はアジア諸国から輸入される高価な紅木などを使うが、「小じゃみチントン」は国産ひのきの間伐材を使用。間伐材を使用することで、花粉症問題や環境問題にも貢献できればというエコ商品の側面も持ち合わせている。

日本の伝統技術を守りたい
三味線文化を世界に発信

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河野さんが見据えるのは次世代だけではない。「小じゃみチントン」を携え、海外展開も積極的に行っている。
実は、伝統的な三味線にはワシントン条約で禁止されている象牙やべっ甲などが用いられており、原則として自由に海外に持ち出すことができない。また訪日外国人にお土産品として購入してもらうのにも、機内持ち込みできるサイズの方がいい。そこで考案したのが、あえて本来の三味線よりも小さくし、皮ではなく合成紙を使用する方法だった。皮については河野さん自身、動物愛護の観点からも気になっていたそうだ。

作り始めてから3年、注目度は上昇中。今まで見なかった類似品を見かけるようになったというのがその証拠だ(「小じゃみチントン」は現在特許申請中)。折しもCOOL JAPANの機運が高まる中、ヨーロッパ各国で展示販売会を開催するほか、今年からはなんとパリの国立美術館で販売されることにもなった。世代や国を問わず、日本の伝統文化を気軽に楽しんでほしいという河野さんの思いが結実しつつある。

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音を決める職人の腕

三味線の音を決めるのは本体に張られた皮。「小じゃみチントン」は通常の三味線よりやや高音の独特の音色が自慢。職人の腕で、合成紙をいちばん音の響きがよくなる状態まで伸ばして張っている。

演奏してよし、
インテリアにしてよし

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三味線は演奏するのが難しいと誰もが思っているかもしれない。が、河野さんは「演奏するのはさほど難しくないんですよ」という。「三絃司きくおか」では入門者向けに講習会を実施しているが、参加者は1時間ほどの手ほどきで「さくらさくら」などの簡単な曲が3~4曲弾けるようになるそうだ。1ヵ月もすると「小じゃみチントン」での講習は終了し、従来の三味線に移行する人も多いそうだ。いわば三味線の入門にも最適なのだ。

一人で練習する場合も、棹の側面に弦を押さえるポジション番号が示されているので、説明書を見ながらさわっているうちに、ちゃんと弾けるようになるそうだ。ファンにはうれしい「ウルトラマンの歌」の楽譜が付属品として付いているので、まずはこちらにチャレンジしたい。

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また河野さんは「ぜひインテリアとして部屋に飾ってもらいたい」と事も無げにいう。まずはその造形の美しさに気づき、親しみを持ち、気が向いたらチントンつま弾いてみようか。そんなアプローチでも構わないという柔軟な姿勢が、まさに世代や国を問わず受け入れられている理由かもしれない。

A MAN of ULTRAとのコラボ商品を見ての通り、「三絃司きくおか」が手がけるデザインはどれも大胆なグラフィックが特徴だ。我々はよくデザイン意図やビジュアライズの際に苦労した点を尋ねるのだが、河野さんはそれには答えず、ただ「優秀なデザイナーがいるので、今後の商品開発にもぜひ期待してください」という言葉をくれた。
伝統と革新と親しみやすさ、そこにヒーローのエッセンスが加わって、今までにない“日常におけるウルトラ”なアイテムが誕生した。ぜひ手にとって、その素晴らしさを感じてみてほしい。

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ウルトラセブン

セブンのボディカラーをイメージしたウルトラレッド×シルバーの配色に、セブンの目の色を思わせるオレンジの糸巻がアクセント。胴に描かれたアイスラッガーのモチーフは、まるでバイオリンの「ƒ」(ƒ字孔)のようで、かっこよすぎる!の一言に尽きる。

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エレキング

エレキングのボディ柄をあえてグラフィカルに大胆アレンジしたモチーフがポイント。ちょっと北欧風を思わせるおしゃれな仕上がりで、女性への贈り物にもよさそう。

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ゼットン

ゼットンカラーの黒・白・イエローを絶妙なバランスで配色し、さらに最大の特徴である顔面や胸部の発光器官を大胆なモチーフとして表現。伝統的な三味線の域を完全に超えた、モダンすぎるデザインに脱帽。